ブローカー失語とウェルニッケ失語
国家試験の時に覚えた気がします。
『ブローカー失語とウェルニッケ失語の違い』 なんて問題を過去問題で見た気がする。もうかれこれ10年以上前の記憶になってるけど。
ちなみ↑がブローカー野とウェルニッケ野の部位を示した図です。
<ブローカー失語>
ブローカー中枢(左前頭回後半部)を中心とする広範囲な皮質・皮質下領域の病巣で出現する非流暢性(運動性)失語群の一種。
発話量は乏しく、イントネーションやアクセントは単調化し、発音のひずみが強く(発語失行)、発話全体がたどたどしい。
理解力は、音声言語・文字言語ともに単語レベルは保たれるが、統語理解障害のため文章レベルの理解が困難。
喚語能力はさまざまな重篤度で障害され、語健忘(目標後の回収障害)や錯誤を認める.
書字は、仮名に比べて漢字が良好。
言語障害に対する病識は保たれており、患者さんの苦悩や焦燥感は強く、抑うつ的となる場合がある。
右上下肢の片麻痺や運動障害性構音障害(ディサースリア)を合併することが多い。
<ウェルニッケ失語>
左上側頭回後半部領域(ウェルニッケ中枢)を中心に、頭頂葉から側頭葉に及ぶ広範囲な皮質・皮質下領域の病巣で出現する流暢性(感覚性)失語群の一種。
自発語は流暢で多弁だが、言い間違い(錯誤)や保続が頻出し、発語全体通して意味不明(ジャルゴン)の状態に陥りやすい。
錯誤は語性錯誤や字性錯誤、語新作など多彩な種類が出現。
聴覚的理解力は、語音の認知障害と意味の理解障害が重なり、単語レベルから不安定。日常会話も困難。
文字理解は、聴覚的理解と比較して良好な傾向。
書字は、漢字ひらがなともに障害。
片麻痺の合併は少なく、ADLは自立しているが、右同名性半盲を伴うことがある。
自分の言葉の障害に対して病態失認的。
国家試験では流暢か非流暢かを問われる問題が多く出されていたように思います。なんか、覚えるための略語みたいなやつもあったよね!
「この患者さんはブローカーだ!」とか「なるほど、ウェルニッケ野が障害されているな!」なんて思いながら看護はしていませんでした。
でも、改めて勉強しなおすと、アプローチの仕方が異なるんだということがわかりました。
過去を振り返ると、私の話にうんうんと聞いていたけれど理解はしていなかったんだろうな、とか、言葉が流暢に出ないから話しても理解してくれないだろうと思いケアの際に説明不足であったな、など反省すべき点が多々浮かんできます。
なんとなくの看護は卒業し、知識を基にした看護が提供できるよう、頑張らねば!
日々精進!
発語障害
●失音症・発語失行:単語は思い出せているのにうまく音にできず、ろれつが回らないような音のひずみが生じたり、途切れたりする
(例)雪だるま→「ゆ・・・きだ・・・る、ま」「ゆーきだ・・・る、ま」など
錯誤(言い間違え)
●語性錯誤:単語がほかの単語に替わる
(例)スプーン→フォーク
●音韻性錯誤:雪だるま→「ゆきなるま」
●新造語:実在しない音の羅列
喚語障害(語の想起障害):単語自体が思い出せない
言語理解障害:単語の理解障害と文の理解障害がある
保続:前の反応が持ち越されて、次にも同じ反応をしてしまう現象
(例)前の質問で返答が「はい」であった場合、次の質問の内容にかかわらず「はい」と答えてしまう