まだまだ新米 リハビリ看護師のブログ

看護師歴1〇年。リハビリ病棟にて勤務しています。これからリハビリ看護を目指す方、現在・これからご家族の介護をされる方。一緒に勉強しましょう!

看護師のメリット・デメリット

今年度の看護師国家試験の発表は、3/24ですね。

十数年前の今頃は、試験が終わって晴れ晴れした気持ちと、不合格だったらどうしようと焦る気持ちの狭間にいたことを今も思い出せます。

 

これから看護師を目指す人に向けて、メリット・デメリットを伝えてみようと思います。

 

<メリット>

安定した収入面

日勤のみで手取り20万くらいです。夜勤は回数が増えれば増えるほど給料に反映します。20後半~30後半万円程度の手取りが給料になるかともいます。

勤める病院や地域によって多少は変わります

転職しやすい

国家資格があると転職には有利です。私は今の職場に不満はないですが、嫌になったらいつでも転職できる、という思いから窮屈な思いはせずに仕事ができてると思います。

いろいろな場所で働ける

総合病院の中にも外科、内科、OPE室、透析室、リハビリ病棟、外来などたくさん活躍できる場所があります。それ以外にも、クリニック、施設、デイサービス、訪問など。働く場所が多ければ、自分に合う場所もきっとあります!

 

<デメリット>

給料がなかなか増えない

夜勤すれば手取りは多くなりますが、基本給は大手企業に勤める方からすると少ないと思います。経験年数や実績によっても違うと思います。

わたしは認定などはもっておらず、のんべんだらりとやってきたため基本給25万程度です。(経験年数10年で少ない方だと思います。)

体が資本

若いころは夜勤明けでディズニーランド!なんてできましたが、アラフォーの現在、そんなことしたら死亡フラグ立ちます。

腰痛はもはや職業病です。

リモートワークは出来ない

企業看護師は可能でしょうが、多くの病院やクリニック、施設で働く看護師は、働く場所に体がないとできません。

血液、排せつ物などと接触する機会が多い

もちろんスタンダードプリコーションは図ってはいますが、張り切って触りたい!!と思う人は少ないと思います。

慣れればなんてことはないですが。

 

 

あれあれ?気づけばデメリットばかり多くなってしまいました。笑

それでも、私はこのお仕事好きです。たぶん、来年も再来年も看護師として働いていると思います。患者さんが元気になって退院していく姿はやっぱりうれしいです。

 

 

今の職場に不満はないですが、転職サイトには複数登録しています。

時々、サイトを眺めては給料や待遇の良いところはないか探しています。というよりも、市場調査の一環です。自分の看護師としての価値はいかほどか、今の職場が合わないと思ったときに、すぐに行動に移せる準備は常にとっておいたほうが安心だからです。

 

今の病院に転職する際、転職サイトは利用しませんでした。ナスコミという看護師の掲示板で評価が良い病院を選んだからです。

確かに、人間関係や休みの面では満足です。しかし、給与面では少し不満があります。

面接後に提示された基本給が少ないと、思いました。でも、言えなかったんですよね…

もし、転職サイトを利用していたらこういう所もエージェントを通して希望を伝えることができたのにな。と後悔しています。

なので、次回の転職時は絶対に転職サイトを利用するつもりでいます。

今すぐ利用するつもりがない意志を示していれば、しつこい勧誘もないので、登録しておいても損はないです。

(しつこいところは定期的に電話してくるので注意してください。)しつこい会社は今後利用しない!と決めているので、セールス電話も自分のサイト利用の判断基準になりますが。

 

そして、今の切羽詰まっていない状況で登録しておいたほうが、どの転職サイトが優良なのか、判断しやすいと思っています。

 

これから看護師になる皆様、現在も働いている皆様、自分でしっかりと良い職場を探していきましょうー!

 

ブローカー失語とウェルニッケ失語

国家試験の時に覚えた気がします。

『ブローカー失語とウェルニッケ失語の違い』 なんて問題を過去問題で見た気がする。もうかれこれ10年以上前の記憶になってるけど。

 

ちなみ↑がブローカー野ウェルニッケ野の部位を示した図です。

 

<ブローカー失語>

ブローカー中枢(左前頭回後半部)を中心とする広範囲な皮質・皮質下領域の病巣で出現する非流暢性(運動性)失語群の一種。

発話量は乏しく、イントネーションやアクセントは単調化し、発音のひずみが強く(発語失行)、発話全体がたどたどしい

理解力は、音声言語・文字言語ともに単語レベルは保たれるが、統語理解障害のため文章レベルの理解が困難。

喚語能力はさまざまな重篤度で障害され、語健忘(目標後の回収障害)や錯誤を認める.

書字は、仮名に比べて漢字が良好

言語障害に対する病識は保たれており、患者さんの苦悩や焦燥感は強く抑うつ的となる場合がある。

右上下肢の片麻痺や運動障害性構音障害(ディサースリア)を合併することが多い。

 

ウェルニッケ失語

左上側頭回後半部領域(ウェルニッケ中枢)を中心に、頭頂葉から側頭葉に及ぶ広範囲な皮質・皮質下領域の病巣で出現する流暢性(感覚性)失語群の一種。

自発語は流暢で多弁だが、言い間違い(錯誤)や保続が頻出し、発語全体通して意味不明(ジャルゴン)の状態に陥りやすい。

錯誤は語性錯誤や字性錯誤、語新作など多彩な種類が出現。

聴覚的理解力は、語音の認知障害と意味の理解障害が重なり、単語レベルから不安定。日常会話も困難。

文字理解は、聴覚的理解と比較して良好な傾向。

書字は、漢字ひらがなともに障害。

片麻痺の合併は少なく、ADLは自立しているが、右同名性半盲を伴うことがある。

自分の言葉の障害に対して病態失認的

 

国家試験では流暢か非流暢かを問われる問題が多く出されていたように思います。なんか、覚えるための略語みたいなやつもあったよね!

 

「この患者さんはブローカーだ!」とか「なるほど、ウェルニッケ野が障害されているな!」なんて思いながら看護はしていませんでした。

でも、改めて勉強しなおすと、アプローチの仕方が異なるんだということがわかりました。

過去を振り返ると、私の話にうんうんと聞いていたけれど理解はしていなかったんだろうな、とか、言葉が流暢に出ないから話しても理解してくれないだろうと思いケアの際に説明不足であったな、など反省すべき点が多々浮かんできます。

なんとなくの看護は卒業し、知識を基にした看護が提供できるよう、頑張らねば!

日々精進!

 

発語障害

●失音症・発語失行:単語は思い出せているのにうまく音にできず、ろれつが回らないような音のひずみが生じたり、途切れたりする

(例)雪だるま→「ゆ・・・きだ・・・る、ま」「ゆーきだ・・・る、ま」など

錯誤(言い間違え)

●語性錯誤:単語がほかの単語に替わる

(例)スプーン→フォーク

●音韻性錯誤:雪だるま→「ゆきなるま」

●新造語:実在しない音の羅列

喚語障害(語の想起障害):単語自体が思い出せない

言語理解障害:単語の理解障害と文の理解障害がある

保続:前の反応が持ち越されて、次にも同じ反応をしてしまう現象

(例)前の質問で返答が「はい」であった場合、次の質問の内容にかかわらず「はい」と答えてしまう

 

失語症の分類

失語症の分類を把握しても、すごく看護に活かせるわけではないけれど、一応知識として覚えておいてもよいかも。

 

失語症の分類

●脳血管障害による失語症は大きく2つのタイプに分かれる

前方型失語:脳の前方が障害されたときにおこる失語症

後方型失語:脳の後半部が障害された失語

 

前方型失語とは(=非流暢性失語

話すことが非常に困難になる。

言葉数が少なくなり、話そうとしてもきれいな発音ができず、話すことに苦労しているという印象。

長い文章を作ることは難しい。

比較的理解は保たれているが、決して完全ではない。長い文章の理解は困難。

顔や手足の運動麻痺を合併していることも多い。

 

後方型失語とは(=流暢性失語

言葉の理解が困難。

なめらかな発話、発音ができる。

間違った言葉を話すことが多く、まったく意味不明な発話になることもある。

言葉の理解力は低下しているが、それを患者自身が「わからない」と訴えることは少ない。

後方型の失語は手足の運動麻痺は伴わないことも多い

 

冒頭でも書きましたが、実際前方の失語であろうと後方の失語であろうと、患者さんが困っている状況に変わりはありません。

細かい検査や失語の程度を測ることは主にST(言語療法士)が行うことが多いと思います。うちの病院でもそうです。カンファレンスなどで、「○○のテストで~~でした。」なんて報告がありますが、細かいところはよくわかりません。(いずれ勉強せねばと思いつつそのままに・・・。)

病棟の中でできることは何だろうと改めて考えたときに、患者さんが話しやすい内容の会話をするってことかな?と思いました。

和やかな雰囲気の中で会話したほうが、言葉を多く引き出せると思います。

確かに、うちの病院の介護士さんたちは、たくさん患者さんに話しかけているなと思います。若いころの話や家族の話、仕事の話などは、比較的多くの患者さんの発話が多くなると思います。

入院時はだんまりでぼんやりした患者さんも、1か月たつ頃には表情が出てきて、発語も多くなる印象があります。(それによって大変になることも増えてしまうのですが、それはまた後日話したいと思います。)

失語症

言葉の障害・・・・大きく2種類に分けられる①構音障害②失語症

構音障害

舌や口唇や咽頭や声帯などの、言葉を話すときに使われる器官の運動や知覚の障害によって上手に話すことができなくなる症状。

呂律が回らない、という症状。

失語症

言葉そのものの障害。→話すことだけでなく、人の言葉を聞いて理解する、物の名前を言う、文字を読んで理解する、文字を書く、などが困難となる。

言葉に関する様々な能力が障害されている

 

→①と②の違い

・構音障害は言葉自体には障害がなく、ものの名前を思い出したり、人の言葉を理解することには障害はない。

失語症は、言葉について話す以外の能力にも障害がある。

 

失語症の原因となる代表的な疾患は脳血管障害、そのなかでも脳梗塞

脳梗塞の2~3割の患者に失語症が起こる

脳の中で言葉の領域は左脳にあることが多い。脳梗塞失語症を起こすのが典型的。

 

失語症認知症とは異なる。言葉は障害されるが、物事を考えたり判断したりする能力は保たれている場合もある。

言葉の調子やイントネーション、ジェスチャー・表情や絵は理解されることも多い。

言葉の症状は、常時同じとは限らない。緊張した場面ではいつも以上に言葉が出ないこともある。リラックスした状況で打ち解けた会話を心がけていく。

失語症では、「言葉の受け皿」が小さくなってしまっている状態。長い文章や早口言葉はその受け皿からこぼれ落ちてしまうため理解できなくなる。ポイントは、文を短くゆっくりと話す

50音表は役に立たないことが多い。失語症は「音」の操作に障害があるため、「音」だけで表すひらがなは理解できないこともある。むしろ、具体的な意味を持つ漢字のほうが理解されやすい場面もある。

(リハビリナースより引用)

 

リハビリ病棟では脳梗塞後のリハビリのため入院している患者さんも多くいます。上記に書いたような失語のある患者さんもいます。

失語と認知症とは異なると書いていますが、高齢で入院前より認知機能の低下があった患者さんもいれば、入院による環境の変化から認知機能の低下をした患者さんもいます。

はっきり言ってしまえば、失語なのか認知症なのかを区別することは難しいし、正直病棟内での生活や退院後の生活にその区別は必要ないのだと感じます。

 

先日の出来事です。

看護師歴20年越えの先輩が患者さんと話していました。80代の患者さん、脳梗塞後の障害にて失語があります。とてもやさしい雰囲気の患者さんなのですが、正直何を話されているのか理解することが難しいのです。

それでも、先輩看護師は普通に会話してるんです。

どうしてスムーズな会話ができるのか尋ねました。

「ニコニコしているときは、うれしかった出来事とかそういうのを伝えたいから、よく分からなくても笑顔で接すればそれでいいんだよ。でも、困った表情をしていたり、なにか手に持ったものを差し出してきたときは、それについて手助けをしてほしいときだから、真剣に聞きだすんだよ。全部が全部理解できなくてもいいんだよ、そんなに患者さんも求めてないと思うしね。」と言っていました。

 

わからないことがあるとすぐ教科書を広げたり調べたくなってしまう性分なのですが、生活をする上では、雰囲気だったり表情だったりを感じ取る能力の高さが、看護の質を高めていくんだなと改めて思った出来事でした。

 

リハビリ看護師

気づけば看護師歴10年以上経ってしまいました。

新人時代は、手術室へ配属され、8年経過。その後、特養での施設バイトを経て、急性期病棟へ。

手術室と病棟での看護は大きく異なり、戸惑いの毎日でした。

それでも、病棟看護のほうが自分には合っているかも・・・と思い、現在はリハビリ病棟での看護師をしています。

 

リハビリ病棟とは、病状が落ち着きリハビリを行い、入院前の身体状況に少しでも近づけるお手伝いをする場所です。

主治医や看護師はもちろんですが、PT/OT/STなどのセラピストともに患者さんが退院後少しでも不安なく、また人生のQOLを下げることがないように、多職種で関わっていきます。

 

私は看護学校時代の実習が大嫌いでした。何をしたらいいのか分からない。けれど、指導者はめっちゃ怖い。提出すべき記録は膨大にある。

実習は主に病棟で行われていたのですが、正直もううんざりでした。

これから先何十年も病棟で働くなんて考えられない。そう思って、手術室での勤務を希望しました。

手術室では新しく覚えないことのオンパレード。定時には上がれるけれど、寮に帰っても勉強、勉強、勉強。それでも、だんだんと業務には慣れてきました。

でも、患者さんと関わるときも、「○○の手術の人」というとらえ方をしてしまい、患者さん個人のキャラクターをとらえることは出来ませんでした。

結婚を機に退職し、急性期病棟での看護は新しいことの連続で慣れるまで大変でしたが、患者さんの背景や性格、病気の受け止め方などで、同じ疾患であっても違う人なんだ、という当たり前のことを実感しました。

それでも、急性期は治療がメインなので、治療の必要性を理解できない場合や危険な場合はやむを得ず抑制をしなくてはならない。

けれど、本当にそれって必要な抑制なの?必要以上に自由を奪っているんじゃないの?という場面も少なからず見てきました。

けれど、そのときはそれが当たり前で仕方のないことなんだ、と自分を納得させていました。

 

現在。リハビリ病棟で働いていますが、患者さんの意志を最大限に優先した看護ができる場だと思えます。

リハビリ病棟へ転院し、リハビリがすすむにつれ表情が明るくなっていく患者さんも多くいます。もちろん受容の過程で、自身の障害に気づき入院時よりも落ち込んでしまう患者さんもいます。

それでも、それを乗り越え自宅へ退院できる姿をみるとやはりうれしい気持ちになります。

 

リハビリ病棟へ配属され2年目。まだまだ新米ですが、弛むことなく勉強していきたいと思っています。これからリハビリ病棟の勤務を希望される方、ご家族を介護されている、また今後する予定の方へ必要な情報を提供できる場になればと思っています。

 

毎日の仕事に育児にと、定期的に記事を上げることは難しいですが、ゆっくりとやっていくればいいなと思っています。

これからよろしくお願いします。   あーこんぐ。